右腕に金属製の篭手をつけた男が、幾つかの袋と、
金貨が積み上げられたテーブルを挟んで商人と取引
をしている。男が金貨を1枚、また1枚と積み上げ
て行き、何枚目かの追加の金貨を積んだところで商
人はようやく頷いた。商談が成立したようだ。
金を受け取った商人は袋を押しやると満面の笑みを
浮かべて去っていった。
やれやれと言った感じで肩をすくめた男と君の目が
合った。男は、目の前の椅子を顎で指し示した。
「暇なら一杯付き合わないか?」
君は男の誘いに応じてもいいが、
無駄な時間を費やしたくないというのなら
立ち去ってもいい。