人の他に、魔と精霊が存在していた時代
現世界アーレア北欧の一帯を統治する聖バルダミアン王国は、40代続く王族が治めていた。
聖バルド教を母教とし、広く人民に慕われる王族は、人民を脅かす魔との戦いの前線に立つ。
それ以外にも、聖バルド教を母体とし、枝分かれしたスターグ教、そしてそれを国教とする異民族との対立は、
800年以上も続いている。
それらの戦いの先頭に立っていたのが、聖バルダミアン王国所属の騎士団である。
聖バルダミアン王の娘ルナーシェは、騎士団の若き団長オリフェンとの婚約を間近に控えていた。
騎士団の長が王家に入るのは古くからの習わしであった。
しかし、婚約を10日後に控えたある日、ルナーシェ姫が忽然と姿を消した
長らく病に伏せっていた聖バルダミアン王が、人民の前に姿を現し、こう宣言する。
「身分、民族、信仰の何事も問わぬ。獄界ベセクに囚われし姫を救い出せ。さすれば、ノゾミの褒美を与えん」